油田の調査と掘削を行う戦略のうち最適なものはどれか、また新しいプラントを建設するのと既存のものを購入するのとどちらがよいのか、といった複雑な多段階の決定判断に悩まされたことはありませんか。または入札を行うべきかどうか、そして競争相手の入札にどう対応すべきか、という新しいプロジェクトの入札判断はどのように行ったらよいでしょう。あるいは法的な争いに際してのベストな訴訟戦略や、患者の回復の見込みを最大化できるような最良の医学検査・治療のプランを見極めたい、というケースも考えられます。
PrecisionTree は、こうした特定の順序で行う必要のある複雑なタイプの意思決定問題を解決するのに役立ちます。PrecisionTree では、Microsoft Excel で直接意思決定ツリーを使用して意思決定問題のマッピング、整理、および分析を行えます。意思決定ツリーは起こりうるさまざまな決定パスおよび確率事象を表すノードと分岐で構成された定量的ダイアグラムです。このツリーを使って可能な選択肢をすべて特定してその値を計算することにより、自信を持って最適なオプションを選択できるようになります。
PrecisionTree の基本操作を学ぶ
PrecisionTree 機能の説明ビデオを見る (英語で)
PrecisionTree は完全に日本語化されています。メニュー、ダイアログ ボックス、ヘルプ ファイル、そしてサンプル ファイルもすべて日本語です。PrecisionTree は英語、は英語、スペイン語、ポルトガル語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、および中国語の各バージョンをご利用いただけます。
バージョン 7 の新機能 - BigPicture での意思決定ツリーの表示と共有
Palisade 社のマインド マップ作成・データ調査アドイン BigPicture が、DecisionTools Suite に追加されました。他に類を見ない視覚的なダイアグラムとレポート作成機能を備えた BigPicture は、複雑な意思決定課題に関わる情報の分析、検討、共有を行うためのツールとして広く一般に利用されるようになっています。
PrecisionTree の新しい機能を使って定量的な意思決定ツリーを BigPicture に直接エクスポートすることで、プレゼンテーションやディスカッションの資料としてほかの Excel ユーザーと共有できる魅力的なビジュアル マップに変換できます。その結果、意思決定プロセスに共同で取り組む作業が簡単になり、定量的な確率分析と専門家の知識の間に見られる従来のギャップも大きく改善されます。
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PrecisionTree の仕組み

意思決定ツリーの設定
意思決定ツリーを使用して、決定事象や確率事象が左から右へと順次進行するシーケンスとしてリンクされている正式な構造を作成します。決定、確率事象、および最終結果をそれぞれノードによって表し、各ノードを分岐でつなぎます。その結果、一番左のルートから開始して、一番右のさまざまなペイオフで終了する構造のツリーが作成されます。ツリーの各ノードに事象の発生確率および、事象や決定のペイオフが追加されます。PrecisionTree では、ツリー内で起こりうる各パスのペイオフと確率が表示されます。
PrecisionTree 関数をスプレッドシートの任意のセルに追加して、その引数としてセル参照や式を含めることができるので、意思決定モデルの定義に優れた柔軟性を発揮します。任意のノードの右にある分岐を折り畳んで非表示にしたり再表示したりできるので、ツリーを簡略化してナビゲーションを容易にすることが可能です。さらに特定のノードに対称サブツリーを追加することで、大規模なモデルの作成にかかる時間を大幅に短縮できます。
結果の分析
PrecisionTree は、各決定ノードにおける最適な選択肢を判断し、その分岐に TRUE という評価を割り当てます。意思決定ツリーが完成したら、PrecisionTree の意思決定分析を実行して最適な決定および、その他の選択肢との比較についての総合的な統計レポートを得ることができます。
また、異なる決定オプションのペイオフとリスクを比較したリスク プロファイルのグラフを作成することもできます。リスク プロファイルにはさまざまな結果および、特定の値と同じかそれ以下の値となる結果の発生確率を示す、確率グラフと累積グラフが表示されます。
PrecisionTree でユーザー指定の変数の値を変化させ、これによるツリーの期待値の変動を記録することにより感度分析を実行できます。この場合、一度に 1 つまたは 2 つの変数を変化させることができます。感度分析の結果には感度グラフ、トルネード グラフ、スパイダー グラフ、および戦略領域グラフが含まれます。
ポリシー提案レポート – モデル内の最適な決定のみを示す、縮小版の意思決定ツリーが作成されます。モデル内の各決定とそこへの到達確率および、その決定ノードで正しい選択をした場合のメリットについて報告する、ポリシー決定テーブルも表示されます。
戦略領域グラフ – 一元戦略領域グラフには、1 つの変数の変動範囲における各決定の期待値が示されます。二元戦略領域グラフは、2 つの変数の変動範囲においてどの決定が最適となるかを示します。
無制限数のノードを使用したツリー – PrecisionTree インダストリアル版を使用すれば、サイズ制限のない大規模なモデルを構築できます。
高度な機能
ベイズ修正 – この操作ではベイズの定理を用いて計算された確率を示すためにモデル内の 1 つ以上の確率ノードをフリップ (つまり反転) させることが可能です。これは、モデルの確率を直接使用できる形で表せない場合に便利です。例えば、特定の調査の結果を仮定した場合のある結果の発生確率を知りたいとします。ここで調査の精度は未知であっても、目的の確率を求めるにはベイズの定理を使用して従来のツリーを反転させる必要があります。
論理ノード – ユーザーが定義した条件に従って最適な分岐が選択される、特殊なタイプのノードです。論理ノードの動作は決定ノードと同じですが、ここでは分岐論理式の評価結果が TRUE になる分岐が論理的 (つまり最適) な決定として選択されます。
参照ノード – サブツリーを参照するために使われます。そのブック内の任意のシートにあるサブツリーを参照できます。参照ノードは 1 つのツリーが同じサブツリーを何度も参照する場合や、ツリーが大きすぎて 1 つのスプレッドシートに収まらない場合などに使用します。リンク付きツリー – 意思決定ツリーの分岐値を、ツリーの外にある Excel モデル内のセルにリンクできます。リンク付きツリーでは各ノードを Excel セル参照または範囲名にリンクできます。これにより、詳細なスプレッドシート モデルを使った終了ノードのペイオフ計算が可能になります。この強力な機能では、意思決定の状況を表すことのできる意思決定ツリーの利点と、結果の計算を行える従来のスプレッドシート モデルの利点の両方が手に入ります。
VBA マクロを使ったペイオフ計算 – PrecisionTree では、カスタムの VBA 式を使ってパスのペイオフ値を計算できます。マクロを使用するとモデルを大幅に簡素化できます。
カスタム効用関数 – モデルのペイオフ金額を「効用」に換算することで、最適な決定に影響を与える可能性のある、意思決定者のリスクに対する姿勢を考慮に入れることができます。PrecisionTree にはデフォルトで指数効用関数が用意されていますが、VBA カスタム関数を使って独自の効用関数を簡単に作成することもできます。
PrecisonTree デベロッパー キット – 組み込みのプログラミング言語により、Excel VBA を使用して PrecisionTree の処理を自動化することができます。
影響ダイアグラム – ノードとアークで構成される影響ダイアグラムを使用して、決定過程の全体的な構造のサマリーを作成します。影響ダイアグラムで非対称のツリーを表すこともできます。また、影響ダイアグラムを意思決定ツリーに変換することも可能です。

Excel の使いやすさ
真の Microsoft Excel アドインである PrecisionTree は、お使いのスプレッドシートに完全に統合されています。データの参照、定義、そして分析までのすべてを Excel で直接実行できます。PrecisionTree のノード、分岐、およびアークはモデル内に直接作成され、値は数式バーに表示されます。PrecisionTree なら、右クリックによる状況依存メニューやツールバーを利用して簡単に使い方をマスターできます。
特長
意思決定ツリー
Microsoft Excel とのシームレスな統合
使いやすいツールバーと右クリック メニュー
リスク プロファイル レポート
感度分析
ポリシー提案レポート
戦略領域グラフ
ベイズ修正
参照ノードと分岐の折り畳み
論理ノード
リンク付きツリーと VBA によるペイオフ計算
効用関数
PrecisionTree デベロッパー キット
@RISK に対応
影響ダイアグラム
利点
意思決定の過程を視覚的に把握し、最適なオプションを判別してその結果を第三者に伝達
すべての操作をスプレッドシートで直接実行し、使い方を素早くマスター
簡単操作 - よく行うタスクは複数の手順で実行可
さまざまなオプションのペイオフとリスクを表示
意思決定に大きく影響する変数を識別
最適な決定とペイオフを表示
1 つまたは 2 つの変数の変動範囲における決定の値を表示
確率ノードを反転させて、ベイズの定理を用いて計算された確率を表示
大きなツリーを合理化してナビゲーションを容易に
条件付きモデリングが可能
ツリーの外で行える複雑なペイオフ計算
意思決定者のリスクに対する姿勢を加味した最適な決定の判断
Excel VBA を使った PrecisionTree の自動化とカスタマイズA
不確実性に対処するためモンテカルロ シミュレーションを実行してツリーで可能なすべての結果を確認
意思決定の視覚的なサマリーを取得
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DecisionTools Suite 日本語版コンポーネント
PrecisionTree は単体製品として購入できるほか、Palisade 社の完全リスク分析・意思決定分析製品 DecisionTools Suite の一部としても提供されています。DecisionTools Suite には、Excel にモンテカルロ シミュレーションを使ったリスク分析機能を追加する @RISK、仮説分析ソフトウェアの TopRank、そしてデータ分析などを行う NeuralTools と StatTools といった数多くのツールが含まれています。DecisionTools Suite は英語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、ドイツ語、日本語の各言語で入手できます。
DecisionTools Suite のコンポーネントは相互に互換性があり、各プログラムを組み合わせてさらに優れた分析と洞察を得ることができるよう設計されています。例えば次のような使い方があります。



PrecisionTree と @RISK の併用
PrecisionTree は、確率事象およびペイオフを離散値または確率により表すことができます。これを @RISK と併用して偶発事象やペイオフの結果の連続範囲を表すことで、さらに優れた分析結果が得られます。意思決定ツリーに対してモンテカルロ シミュレーションを実行すると、静的なツリーの値からでは得られない、意思決定のより多くの可能な結果を検討することができます。



PrecisionTree モデルを TopRank で実行することにより、大きく複雑なツリー モデルで最も重要な要素を判断することができます。TopRank を使ってツリーの感度分析を実行できます。
» DecisionTools Suite 日本語版について
セット製品で 5 割引のお買い得
DecisionTools Suite は、製品を別々に購入するよりもお得な価格設定になっています。すべての製品を個別注文した場合に比べると、その半額以下で購入できます。DecisionTools Suite なら、最強の分析ツールがお手頃価格で手に入ります。
» 価格比較表
ライセンスとトレーニング
PrecisionTree は企業、ネットワーク、教育機関向けなど、さまざまなライセンス オプションを通じて入手できます。ご購入のお客様には、ソフトウェアを最大限に活用するのに役立つトレーニング、コンサルティング、およびマニュアルが提供されます。
100% Excel
PrecisionTree の計算処理は 20 年以上の実績を誇る Palisade 社のサンプリングおよび統計技術を用いてすべてが完全に Excel 内で実行されます。Palisade ソフトウェアでは、処理高速化のために外部再計算機能により Excel を書き換えることはありません。これは、サポートされない、または不完全な複製マクロや関数の使われている再計算を 1 度実行しただけで、最終結果が大幅に違ってしまう可能性があるからです。また、その食い違いがいつどこで発生するかもわかりません。
要件: @RISKとDecisionTools Suiteソフトウェアは、Microsoft Windows Vista 以降で動作するMicrosoft Office 2007以降のすべての32ビット版および64ビット版と互換性があります。
64 ビット対応
DecisionTools Suite の全製品は 32 ビット版と 64 ビット版の Excel 2010、およびそれ以前のバージョンに完全対応しています。ただし、@RISK の Project 関連の機能は 32 ビット版 Microsoft Project 2007-2013 と互換性がありますが、Microsoft Project 2010 の 64 ビット版には対応していません。
64 ビット技術によって Excel と DecisionTools Suite の各製品がこれまで以上に大量のコンピューター メモリを利用できるようになったことから、より大きなモデルを使用した、さらにパワフルな計算が可能になりました。