不確実性を考慮しながらあらゆる問題の最適な解を特定
限りあるリソースをどう配分したら利益を最大化できるだろうかと悩んだことはありませんか。あるいはコストを最小限に抑えるための最も合理的なスケジュールを組むにはどうしたらよいでしょう。そして、売上げ予想、投資リターン、そして生産費用などにつき物の不確実性にはどう対処すべきでしょうか。
従来の最適化手法ではこうした不確実性が無視されますが、これは極めて危険な方法です。RISKOptimizer を使用すれば、どの入力の組み合わせを使用すべきかだけでなく、各戦略に関連するリスクについての情報も手に入ります。したがって、リスクを最小限に抑えつつ目標を達成できるような戦略を探すことが可能です。
RISKOptimizer は、@RISK のモンテカルロ シミュレーション技術と Palisade 社のリスク分析アドインに、遺伝的アルゴリズムを使用した最適化技術を組み合わせることにより、不確実な値を含む Excel スプレッドシートのモデルの最適化を実現します。あらゆる種類の最適化問題において、不確実な値の代わりに @RISK の確率分布関数を使用して、可能な値の範囲を表すことができます。RISKOptimizer による最適化では、各試行解につきモンテカルロ シミュレーションが実行され、最適なシミュレーション結果につながる調整可能セルの組み合わせを見つけ出します。
RISKOptimizer は @RISK インダストリアル版の [ツール] リボンに完全に統合されています。(@RISK インダストリアル版は単体として購入できますが、DecisionTools Suite インダストリアル版にも含まれています。)
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RISKOptimizer は完全に日本語化されています。メニュー、ダイアログ ボックス、ヘルプ ファイル、そしてサンプル ファイルもすべて日本語です。RISKOptimizer は英語、は英語、スペイン語、ポルトガル語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、および中国語の各バージョンをご利用いただけます。
バージョン 7 の新機能 - 効率的フロンティア分析
RISKOptimizer は、ユーザーが指定した各許容リスク レベルについて最適化を行います。例えば金融ポートフォリオの場合には、投資銘柄のさまざまな配分を変化させたうえで、それぞれに対する期待リターンを最適化します。したがってリスク レベルは、可能な値の範囲内で変化する制約として機能します。その結果得られる効率的フロンティアは、多数の最適化結果を示す 2 次元のグラフとして表現されます。効率的フロンティアを利用すると、あらゆるポートフォリオのパフォーマンスを大幅に向上させることができます。
効率的フロンティア機能は、ポートフォリオの最適化以外の分野にも応用できます。一般に、最適化問題における 2 つの量の間のトレードオフを分析するために多数の最適化を実行したい場合には、効率的フロンティア分析が役に立ちます。
» RISKOptimizer 7 の新機能についての詳細を見る
使用例
需要が不確実な場合の利益管理
製作工場、生産、人員のスケジュール管理
在庫管理 生産能力計画 製品ミックスの決定 ポートフォリオ最適化
ヘッジ戦略 ポートフォリオ分散 退職プラン 環境保護排出基準
市場進出の時期判断
入札意思決定 発注政策の最適化
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RISKOptimizer の仕組み
標準の最適化プログラムでは、特定の状況を仮定した場合にスプレッドシート モデルの結果が最大化や最小化されるような値の最適な組み合わせを見つけることができます。ただし、これらのプログラムでは、制御が不可能な不確実性を扱うことができないため、最適化により調整されない要素にはすべて一定値を入力しなければなりません。そのため、モデル化により過度に単純化された、あるいは不正確な結果に基づいて決断を下すことを余儀なくされます。
シミュレーションを利用した最適化
たとえば、複数の工場を擁する企業で、近辺都市の需要に合わせてどの工場でどの製品を生産するのが最適であるかを判断する場合を考えてみます。ここでは利益を最大限にして、配送料を最小限にする必要があります。これは製品ごとの生産量を各工場に割り当てるという、ごくシンプルな最適化問題です。ただしこの問題には、配送料や需要といった、制御できない重要な不確実要素も関わってきます。従来のプログラムでは、不確実な要素の値を推定する以外に方法がありませんでした。しかし RISKOptimizer では、このような不確実要素を確率分布関数 (正規分布や三角分布など) で表すことにより、生産量の可能な各割り当てに対してモンテカルロ シミュレーションを実行することができます。この手法では、最適化中にシミュレーションされた結果 (たとえば利益) の平均値を最大限にしつつ、リスクを考慮することができます。
@RISK はモンテカルロ シミュレーションを使用してモデル内の不確実性を考慮に入れた上で、さまざまな結果の発生確率を判断します。ただしモンテカルロ シミュレーションでは、ユーザーによる値の制御が可能な意思決定変数は扱いません。代わりにこれらの意思決定変数の 1 つのステートにおける、無作為で不確実な値を扱います。
たとえば新製品の開発に際して、この事業が長期的に見て利益につながるかどうかを判断したいとします。その場合、まず標準的なスプレッドシート モデルを作成して利益を計算し、需要や材料費といった不確実な要素を @RISK 関数で置き換えます。この作業中に、仮定の一部が特定なベンダーの利用や製品の組み立て方法に基づいていることに気付いたとします。したがって、ほかのベンダーや組み立て方法を利用すれば、コスト削減につながる可能性があります。また、生産方法によって配送料が高額になるという可能性もあります。このような問題で @RISK だけを使用した場合、複数のシミュレーションを実行して結果を比較することはできますが、可能な入力のすべての組み合わせを試したかどうかは保証されません。しかし RISKOptimizer を使用すれば、ベンダーや生産方法のさまざまな組み合わせを試行して、利益を最大限に伸ばすような組み合わせを見つけることが可能です。
RISKOptimizer はシンプルな 3 つの手順を行うだけで使用できます。
1. モデルを設定します。
[RISKOptimizer モデル] ウィンドウから、すべての最適化問題の設定を行うことができます。ここではターゲット セルと統計を指定し、調整するセルを指定して、制限を定義します。調整可能セルと制限ではセル範囲がサポートされるので、設定と変更を簡単に行えます。ターゲット セルは、最大化、最小化、または特定の目標に近くなるよう設定できます。
範囲と停止条件の定義
調整可能セルを定義する際はセル範囲の最大値と最小値を Excel で直接指定できるので、設定や変更作業が簡単に行えます。たとえば RISKOptimizer に対して、それぞれ A1:A5 の値を最小値、C1:C5 の値を最大値としてセル B1:B5 を調整するように指定できます。複数のセル グループを指定して、各グループにつき複数の範囲を設定することも可能です。
使用するモデルの制限も定義する必要があります。これは、限られたリソースのモデル化が必要な場合などに行います。ハード制限やソフト制限を定義するときに、セル範囲の最小値と最大値を指定することもできます。
最後に、最適化の停止条件を設定して、各シミュレーションおよび最適化全体を停止するタイミングを RISKOptimizer に指定します。
解法
RISKOptimizer には 6 つの異なる解法が用意されています。調整可能セルの最適な組み合わせを見つけ出せるよう、適切な解法をユーザーが指定します。問題のタイプに応じてそれぞれ異なる解法が使用されます。次の 6 つの解法を使うことができます。
- レシピ - 一連の変数をそれぞれ独立して変更できます。
- グルーピング - 要素の集まりをいくつかのグループに分けます。
- 順序 - リスト内の要素の順序を並べ替えます。
- 予算 - レシピ解法と同じですが、合計値が一定しています。
- プロジェクト - 順序解法と同じですが、一部の要素がほかを先行します。
- スケジュール - グループ解法と同じですが、制限を満たしながらタイム ブロックに要素を割り当てます。
スプレッドシート自体に、制御不可能な不確実要素を表す確率分布関数を追加する必要があります。確率分布関数について詳しくは、@RISK を参照してください。
RISKOptimizer では、最適化自体の実行方法を細かくコントロールすることができます。[最適化設定] ダイアログを利用することで、最適化とシミュレーション パラメータの調整、ランタイム設定の調整、マクロの詳細制御などが可能です。
2. 最適化を実行します。
開始アイコンをクリックして、最適化を開始します。RISKOptimizer が試行解の生成を開始し、各試行解に対してモンテカルロ シミュレーションを実行して、ステップ 1 で定義した目標を達成できるような解を見つけようとします。[RISKOptimizer 進行状況] ウィンドウにサマリーが表示され、シミュレーションのステータスおよびそれまでに見つかった最適な解が提示されます。このウィンドウにある再生コントロールを使用して、最適化の一時停止、停止、再開を行うことができます。RISKOptimizer ウオッチャーで進行状況を詳しく監視することも可能です。タブ形式のレポートに、これまでの最適な解、試行したすべての解、試行される解の多様性などの情報がリアルタイムで更新されます。
最適化の仕組み
RISKOptimizer は最適化の最中にいくつもの試行解を生成し、遺伝的アルゴリズムを使って各試行ごとに結果を改善しようと試みます。各試行解に対してモンテカルロ シミュレーションが実行され、確率分布関数のサンプリングとターゲット セルの新しい値の生成が行われます。この処理は何度も繰り返されます。各試行解の結果は、ターゲット セルの出力分布で最小化または最大化したい統計値 (平均や標準偏差など) です。新しく生成された各試行解を使用して再びシミュレーションが実行され、ターゲット統計のさらに新しい値が生成されます。
3. 最適化の結果を確認します。
最適化の実行後、RISKOptimizer にオリジナル、ベスト、および最終の 3 つの解の結果を表示して、1 クリックの簡単操作でこれらを各シナリオにより更新することができます。これにより最適な対処方法が判断しやすくなります。さらに Excel で直接レポートを生成して、最適化サマリー、全シミュレーションのログ、および進行ステップのログを確認することもできます。
Excel の使いやすさ
RISKOptimizer は真の Microsoft Excel アドインとして、お使いのスプレッドシートに完全統合されています。モデルの定義から設定の調整、最適化の実行、進行状況の監視、そしてレポートの生成まで、すべての操作を Excel 内で直接行うことができます。合理化されたダイアログ ボックスにより、操作に必要なウィンドウの数も少なくなっています。
機能
不確実性を伴うケースの最適化
シミュレーション時 100% Excel 演算
@RISK とのシームレスな連携
Microsoft Excel とのシームレスな統合
合理化されたインターフェイス
調整可能セルと制限で範囲をサポート
合計 40 を超えるすべての @RISK 分布関数
6 つの解法
離散型の調整可能セル
進行状況ウィンドウ
RISKOptimizer ウオッチャー
ライブの @RISK グラフ
遺伝的アルゴリズム
OptQuest 解決エンジン
解決エンジンの自動選択
効率的な制約処理
収束の監視と遺伝演算子
@RISK graphs and reports
オリジナル、ベストまたは最終でのモデル更新
Excel でのレポート作成
[アプリケーション設定] ダイアログ
Excel デベロッパー キット (XDK)
利点
これまで以上に正確な問題解決
最高レベルの計算精度
@RISK のシミュレーション設定を共有してデータ入力の手間を省略。@RISK リボンからすべてのコマンドにアクセス。RISKOptimizer の解にすべての @RISK レポートおよびグラフを使用。
すべての操作をスプレッドシートで直接実行し、
使い方を素早くマスター ネストされたダイアログを減らしモデルを高速設定
合理化されたモデル設定と編集手順
あらゆる不確実要素を表し正確なモデル化を実現
問題のタイプに応じた最適な解法
多くの種類のモデルでは、調整可能セル範囲内の値の増分 (例えば 10 個ずつのバッチなど) を指定して精度を高めることができます。また、最適化処理の高速化にもつながります。
一目で分かるステータス表示と便利な再生コントロ
ール 最適な解を求める進行状況の監視
最適化の実行中に @RISK グラフによりベストな試行解をリアルタイムで更新
山登り法による局所的な解を避け、大局的な最適解を検索
OptQuest エンジンは、タブー検索、ニューラル ネットワーク、スキャッター検索、および整数線形計画法を 1 つの複合メソッドに統合したものです。このメソッドは多くの種類のモデルにおいて短時間で優れた結果を提供することができます。
設定されているモデルに最も適したエンジンを自動的に使用することで、作業時間を短縮し分析精度を高めることが可能です。
OptQuest モデルを使用する場合、RISKOptimizer は制約を満たさない解を試行しません。これにより最適化の処理時間が短くなりました。非線形の制約の処理も以前より高速化されています。
最適化の結果を迅速に取得
Analyze your solutions with all @RISK graphs, reports, and features.
3 つの解のモデル全体への影響を瞬時に把握
最適化およびシミュレーション データの保存と共有
すべてのモデルに適用されるさまざまなデフォルト設定の定義
VBA コマンドと関数の完全ライブラリを使用した RISKOptimizer の自動化およびカスタマイズ
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DecisionTools Suite コンポーネント
RISKOptimizer は、Palisade 社の完全リスク分析・意思決定分析ツールキット、DecisionTools Suite インダストリアル版の一部として提供されています。DecisionTools Suite には、Excel にモンテカルロ シミュレーションを使ったリスク分析機能を追加する @RISK、仮説分析ソフトウェアの BigPicture、マインドマップとデータ調査 PrecisonTree、仮説分析を行う TopRank、そしてデータ分析などを行う NeuralTools と StatTools といった数多くのツールが含まれています。 RISKOptimizer を DecisionTools Suite の各プログラムと組み合わせることにより、さらに優れた洞察と分析結果を得ることが可能です。たとえば、次のような使い方があります。



RISKOptimizer と StatTools
StatTools 時系列予測の結果に対して RISKOptimizer 分析を実行し、制御可能な要素を調整しながら @RISK 関数を予測値に適用して総利益を最大限に伸ばすことができます。



RISKOptimizer と NeuralTools を組み合わせて、各試行解に関するライブ予測を行います。
セットで 5 割引のお買い得
DecisionTools Suite は、製品を別々に購入するよりもお得な価格設定になっています。すべての製品を個別注文した場合に比べると、その半額以下で購入できます。DecisionTools Suite は、最強の分析ツールをお手頃価格でお届けします。
» 価格比較表
ライセンスとトレーニング
RISKOptimizerは企業向け、教育機関向けなど、
さまざまなライセンス オプションを通じて入手できます。ご購入のお客様には、ソフトウェアを最大限に活用するのに役立つトレーニング、コンサルティング、およびマニュアルが提供されます。
100% Excel
RISKOptimizer の最適化処理とシミュレーションは、20 年以上の実績を誇る Palisade 社のサンプリングおよび統計技術を用いてすべてが完全に Excel 内で実行されます。Palisade ソフトウェアでは、処理高速化のために外部再計算機能により Excel を書き換えることはありません。サポートされない、または不完全な複製マクロや関数の使われている再計算を 1 度実行しただけで、最終結果が大幅に違ってしまう可能性があります。また、その食い違いがどこでいつ発生するかも分かりません。RISKOptimizer なら、正確な分析結果を短時間で得ることができます。
要件: @RISKとDecisionTools Suiteソフトウェアは、Microsoft Windows Vista 以降で動作するMicrosoft Office 2007以降のすべての32ビット版および64ビット版と互換性があります。
64 ビット対応
DecisionTools Suite の全製品は 32 ビット版と 64 ビット版の Excel 2010、およびそれ以前のバージョンに完全対応しています。ただし、@RISK の Project 関連の機能は 32 ビット版 Microsoft Project 2007-2013 と互換性がありますが、Microsoft Project 2010 の 64 ビット版には対応していません。
64 ビット技術によって Excel と DecisionTools Suite の各製品がこれまで以上に大量のコンピューター メモリを利用できるようになったことから、より大きなモデルを使用した、さらにパワフルな計算が可能になりました。